『孤独を生きる』

こんにちは!!
西の読書めがねです。


生活しているとふとした時に、孤独を感じることってありませんか?
私には、そんなことが時々あります。


同僚や家族とも良好な関係なのですが、ふと気づくと心に隙間風が吹き込んでくる時があります。


そんなときは、心がモヤモヤして不安に襲われて、動けなくなります。



そんなモヤモヤを解消しようとユーチューブをダラダラ見てしまったり、深酒をしてしまったりして、自己嫌悪に陥ってしまい、深みにはまっていきます。


そんなことってみなさんにもご経験がないでしょうか?


そんな孤独を感じる時に1冊の本に出会いました。
『孤独を生きる』齋藤孝 PHP新書です。地元の図書館で興味をもち読んでみました。


今回は、こちらの本を紹介したいと思います。


どんな人に勧めたい?


こちらの本を勧めたいのは、自分が孤独と感じてしまい、不安や焦りを抱えている方です。


孤独について本では、このように述べられています。


皆が不安を感じているのは、孤独ではありません。「孤独感」です。孤独というより、なんとなく不安なだけなのです。

「孤独感」は気分ですから、幽霊やお化けみたいなもの。実態はなく「あると思えばある、ないと思えばない」程度のものなのです。そこをしっかり認識するだけで、ずいぶんと心持ちが違ってくるはずです。




この箇所を読んで、自分が抱いているものが本当の意味での孤独ではなく孤独感だったのだと気づきました。


確かに、生活していて誰とも会わないという日はありませんし、ましてや話さないという日もありません。


ただの気分の問題だったのかと妙に拍子抜けしました。
そのことに気づいて気持ちが楽になりました。


皆さんも自分が抱えているのが、真の意味での孤独なのか、「孤独感」という気分なのか考えてみてはいかがでしょうか。


どちらなのか認識するだけでも解決に向かっているのだと思います。


読む前と読んだ後では、どんな変化がある?


この本を読んだ後では、孤独や1人という言葉に対しての印象が変わります。


孤独や1人と言うと、どうしてもネガティブな印象があるかと思います。


しかし、この本を読んだ後では、この印象がポジティブに変化してくると思います。


このことについて、本の中で、このように述べています。


木を育てることにたとえると、ひとりでいる時間は、種をまいて、芽が出て、すくすくと生長していくときに必要な土壌に相当するもの。孤独感に怯えるあまり、ひとりで過ごす充実した時間を台無しにしてしまうなんて、もったいない。私はそう思います。



1人でいる時間は、大切な時間だということがわかります。


そんな時間を孤独が嫌だと逃げていたら、成長することも難しくなってしまうのかも知れません。


他の本でも、内省の必要性についてよく書かれています。1人の時間が自分を成長させてくれるものなのですね。


また、その時間が誰かと一緒にいる時間の大切さを教えてくれるのかもしれません。



自分にとってどんなところがためになった?


私がこの本を読んでためになったのは、読書をすることで、孤独を和らげられることを知ったことです。


この本では、孤独感を克服するために読書をすることを強く勧めています。


著者が単独の時間を大事に使って、実りある作品に結実させた。受け取る側の読者は、その熟成した味わいを楽しみ、充実した単独の時間を過ごす。そういった連鎖のなかで、本を読む人は孤独感を覚えることはありせん。心は常に著者とともにあるからです。


この考え方には、私も共感します。
私も読書をしていると、書いてあることに同意したり、ちょっと違うなと思ったりと色々と考えが浮かんできます。そこに孤独感が入り込む隙間はありません。


読書をしている時は、ひとりではありません。


また、自分の抱えている悩みは、だいたい先人が本に書いています。


孤独についても、本に紹介されている通り数々の先人が本に残しています。


そんな先人が残した本の中に共感できるものが必ずあるはずです。


様々な悩みが出たときには、同じ悩みを抱えている人は過去にいなかったのか、そしてそのことについて書かれている本はないのかと調べてみると解決するヒントを得られるのではないでしょうか。


この本を読んで、そのことを再認識しました。
やはり読書は、やめられません。


まとめ


いかがでしょうか。『孤独に生きる』に興味がでてきたでしょうか。


少しでも興味が湧きましたら、ぜひ読んでみてください。強く生きるヒントが満載です。



ちなみに、この本に紹介されていた、高村光太郎の詩がとても良かったので、『高村光太郎詩集』を購入しました。


特に気に入っているのが、冬の詩です。少しだけ、引用します。


冬だ、冬だ、何処もかも冬だ

見渡すかぎり冬だ

その中を僕はゆく

たった一人で─



たまりません。
1人は、さみしさだけでなく強さも与えてくれるものです。怖がり過ぎずに、向かって行きたいものです。



そのお供に『孤独を生きる』を読んでみては、いかがでしょうか。


今回紹介した本


『孤独を生きる』齋藤孝 PHP新書


読書を通して自分らしく生きていける人が一人でも増えることを心から願っています。


その助けに自分がなれるのであれば、こんなに幸せなことはありません。


西の読書めがね


『歩行する哲学』

こんにちは。
西の読書めがねです。


皆さんは、散歩はよくされる方でしょうか。
私は、週に1回くらい散歩をしてます。


時間にして1時間半ほどです。距離にすると6キロほどでしょうか。


好きな音楽を聞きながらゆっくりと散歩するのはとても気分がいいものです。


また最近では、Amazon のAudibleを聴きながら散歩しています。
Audible は、ながら読書ができるので、大変気に入っています。


そんなよく散歩をする私が今回ご紹介するのは、『歩行する哲学』です。


この本は、様々な哲学者や偉人が歩くということをどのように捉え、どのように歩いたのかということについて書かれた本です。


それでは紹介を始めていきます。


どのような人に勧めたい?
私がこの本を勧めたい人は、考えることが好きな人です。


歩くということは、誰でもできることなので、特に深く考えて行うことはありません。


ただ、この歩くという単純な行為ひとつをとっても様々な捉え方や考え方ができます。
この本を読むとそのことがよくわかります。



思考も、書くことと同様、揺れて、歩く。どちらもぐらつき、持ち直し、また同じことを始め、果てしなく、この持続される不安定の中を進んでいく。一つの思考が別の思考をそこから引き起こす。1つの感覚が別の感覚を引き起こす。一つの文章が別の文章を、─ 一つのしきたり、習慣、あるいは怠惰でさえもがもう一つを引き起こすように。今度はそれが不安定にぐらつき、不確実になる。けれど転ばない。


このように歩くという単純な行為も捉え方や考え方次第で、より深く考察をしていくことができます。


この本を読むとこのように物事をより深く考えるきっかけになります。
普段から色々なことを考えることが好きな人にとっては、この本を読むともっと考えるということが好きになるのではないかと思います。


また、普段は忙しくてあまり物事を深く考えることがない、できないという人にとっても物事を深く考えるきっかけになる本ではないかと思います。


この本を読む前と読んだ後ではどんな変化がある?


この本を読む前と読んだ後では、歩くという行為に対する印象がガラリと変わります。


私がこの本の中で、特に歩くという行為に対する印象が変わった箇所を引用します。


堂々として幸福であろうとするなら、自分で利口だと思っていても何者でもない文明化した腰抜けでなく、人間であろうとするなら歩かなければならない。振り返らないで、まっすぐ前へ、寒さや灼熱の太陽を心配したり、風や汗や道の石ころを気にしたりすることなく、歩かなければならない。


人間が人間でいるためには、歩かなければならないなんて、歩くということが、それほどまでに重要な行為だったのかと衝撃を受けました。


今まで特に何も考えずに行っていた行為が幸せや文明に繋がっていることだとは全く考えたことがありませんでした。
皆さんもそうなのではないかと思います。


ただ、考えてみれば歩くということは、前に進むということであり、前に進むということは、つまりは生きていくということでもあります。


歩くということは、生きていくということに繋がってことであることを、この本を通して知ることができました。


自分にとってどんなことがためになった?


この本を読んで、私がためになったのは生きていく上での指針を得たことです。


私はどう考えても天才ではありません。人より優れたところもありません。そんな私が人生を歩んでいく上で、大事な考え方をこの本を読んで知ることができました。


だが、ゆっくりでも、長い距離を、長い時間頻繁に歩くことはできる。逆に持久力がカタツムリのようなのろさを補って余りあることもある。急いでも変わらないのだ。歩くには、謙虚な辛抱強さ、身体の耐久力、この世にしっかり目を下ろすことを得意とすることがプラスに作用する。根気よく続けることが走ることより価値がある。長続きが瞬間的な選考に勝る。重要なのは速度ではなく、持続なのだ。


天才ではない私が生きていく上で、重要なことがこの文章に凝縮されているように思いました。


つまりは、謙虚さと長期的な視点、身体的、精神的な持久力を養っていくこと。
このことが私にとってはとても重要な要素であり、一つの指針となる視点だと思います。


この本を読むことで、そのことを知ることができました。



まとめ


いかがだったでしょうか、『歩行する哲学』に 少し興味をお持ちいただけたでしょうか。


少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。
興味が湧いた方は、是非『歩行する哲学』を読んでみてください。


私はこの本を読んでより深く考えること、哲学的に物事を捉えることの面白さを知ることができました。


また、日々行っている散歩が人生についても考えさせられる行為であるという、新たな視点を得ることもできました。


これからも読書と並行して、散歩も楽しく続けていきたいと思っています。


今回紹介した本


『歩行する哲学』ロジェ=ポル・ドロワ ポプラ社


読書を通して自分らしく生きていける人が一人でも増えることを心から願っています。


その助けに自分がなれるのであれば、こんなに幸せなことはありません。



西の読書めがね


『走ることについて語るときに僕の語ること』

こんにちは。
西の読書めがねです。


私の趣味は、言うまでもなく読書です。
その他にこれまでずっと継続しているものとしては、走ることがあります。


走り始めたきっかけは、月並みではあるのですが、ダイエットでした。


大学生時代に走り始めて、かれこれ10数年以上走っていることになります。


走っているとは言ってもとても熱心に走っているということではなく、まさに趣味の範囲で走っているというのが実情です。


週末に継続して走っているくらいのものです。時々ですが年に数回大会に出場することもあります。


走れば気分は良いですし、走る距離が伸びれば達成感もあります。


そんな走ることが趣味の私が今回紹介する本は、村上春樹さんの『走ることについて語る時に僕の語ること』です。


どんな人に勧めたいか?それはなぜか?



まずどんな人に勧めたいかということですが、村上春樹さんの小説が少し苦手な方におすすめしたいです。


村上春樹さんの本を紹介しておいて、いうことではないのかもしれませんが、私は村上春樹さんの特に長編小説が少し苦手です。


理由は特にないのですが、私の趣味ではないというのが正直なところです。熱心な村上春樹さんファンの方には申し訳ないのですが、こればっかりはしょうがないです。


何冊か読もうとしてみたのですが、最後まで読むことができませんでした。


では、なぜこの本を読もうと思ったのか?といえば、『運動脳』という本で紹介されていたのがきっかけです。


正直どうなんだろうなと思いながら読み始めたのですが、読むうちにどんどんと引き込まれていきました。


走ることについて書かれたエッセイなのですが、人生全般についても考えさせられるような内容でした。


村上春樹さんの小説は苦手だという方でも私のように読める本ですし、文章についても、さすがはベストセラー作家というように素晴らしいものですので、騙されたと思って読んでいただければと思います。


これを読む前と読んだ後ではどんな変化があったか?


次に、この本を読む前とと読んだ後ではどんな変化があったかということについてですが、自分がどういうタイプの人間であるかということの理解が深まりました。


この本の中で村上春樹さんは自分のことについて、


僕は頭の中で純粋な理論や理屈を組み立てていくタイプではない。思弁を燃料にして前に進んでいくタイプの人間でもない。それよりは体に現実的な負荷を与え、筋肉にうめき声を(ある場合には悲鳴を)上げさせることによって理解度の目盛りを具体的に高めていってようやく「腑に落ちる」タイプである。


と書いています。この文章を読んだ時に、自分もまさにこのタイプだなと思いました。


人よりも理解するのに時間がかかりますし、頭では分かったと思っていても、実際にやってみると全くできない、うまくいかないことが多くあります。


こういうタイプだというのがこの本を読んでから理解できたので、今ではどんどん行動することを意識しています。


この本を読まなかったら、このような理解は深まらなかったと思います。
また、色々な本を幅広く読んでいくことの大切さが、改めてわかりました。


当たり前ですが、ベストセラー作家の洞察力と文章力に感嘆しました。


自分にとってどんなところがためになった?


この本を読んで、私が一番良かったことは、続けていく継続していくということに対する理解が深まったことです。


そのことについて、私が特に印象に残った箇所としては、


走り続けるための理由は、ほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由ならトラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのはその「ほんの少しの理由」を一つ一つ大事に磨き続けることだけだ。


この文章を読んだ時、仕事のことが思い浮かびました。
それは私が仕事について悩んでいたからです。
今の仕事を続けていく気力や自信がなくなっていました。


でも、この文章を読んで、もう少しだけ続けてみようという気持ちになりました。
これからも仕事を続けて行くことになるかは分かりませんが私のほんの少しの理由を抱いていきたいと思います。


また自由に生きるということがどういうことなのかということについての理解も少し深まったと思います。


この点に関して、私が特に印象に残った箇所は、


彼女たちには彼女たちに相応しいペースがあり、時間性がある。僕には僕に相応しいペースがあり、時間性がある。それらは、全く異なった成り立ちのものだし、異なっていて当たり前である。


というところです。


これがまさに自由に生きるとはこういうことだと思いました。


誰にもどこにも縛られずに、自分のペースや時間を守っていくことが自由ということなのだと思いました。


ただ、会社や組織に属していると、そうはいきません。


しかし、自分らしく自由に生きていこうとするのであれば、自分のペースや時間性を守っていくことは、とても大事なことだと思います。


また、そのように生きていけることはとても幸せなことだとです。


私もすぐには難しいと思いますが、自分のペースで自分の時間を大切に、ゆっくりと過ごしていけるように、日々試行錯誤しています。


この本を読んで継続していくことがどういうことなのか、自分らしく過ごしていくにはどうしたらいいのかということについてより考えるようになりました。



まとめ


いかがでしたでしょうか。
走ることについて語る時に僕の語ることが少し読みたくなってきたでしょうか。


少しでもご興味を持たれた方は、読んでいただければと思います。読んでいただければこんなに嬉しいことはありません。



今回紹介した本
『走ることについて語るときに僕が語ること』村上春樹 株式会社文藝春秋



読書を通して自分らしく生きていける人が一人でも増えることを心から願っています。


その助けに自分がなれるのであれば、こんなに幸せなことはありません。


西の読書めがね