『走ることについて語るときに僕の語ること』

こんにちは。
西の読書めがねです。


私の趣味は、言うまでもなく読書です。
その他にこれまでずっと継続しているものとしては、走ることがあります。


走り始めたきっかけは、月並みではあるのですが、ダイエットでした。


大学生時代に走り始めて、かれこれ10数年以上走っていることになります。


走っているとは言ってもとても熱心に走っているということではなく、まさに趣味の範囲で走っているというのが実情です。


週末に継続して走っているくらいのものです。時々ですが年に数回大会に出場することもあります。


走れば気分は良いですし、走る距離が伸びれば達成感もあります。


そんな走ることが趣味の私が今回紹介する本は、村上春樹さんの『走ることについて語る時に僕の語ること』です。


どんな人に勧めたいか?それはなぜか?



まずどんな人に勧めたいかということですが、村上春樹さんの小説が少し苦手な方におすすめしたいです。


村上春樹さんの本を紹介しておいて、いうことではないのかもしれませんが、私は村上春樹さんの特に長編小説が少し苦手です。


理由は特にないのですが、私の趣味ではないというのが正直なところです。熱心な村上春樹さんファンの方には申し訳ないのですが、こればっかりはしょうがないです。


何冊か読もうとしてみたのですが、最後まで読むことができませんでした。


では、なぜこの本を読もうと思ったのか?といえば、『運動脳』という本で紹介されていたのがきっかけです。


正直どうなんだろうなと思いながら読み始めたのですが、読むうちにどんどんと引き込まれていきました。


走ることについて書かれたエッセイなのですが、人生全般についても考えさせられるような内容でした。


村上春樹さんの小説は苦手だという方でも私のように読める本ですし、文章についても、さすがはベストセラー作家というように素晴らしいものですので、騙されたと思って読んでいただければと思います。


これを読む前と読んだ後ではどんな変化があったか?


次に、この本を読む前とと読んだ後ではどんな変化があったかということについてですが、自分がどういうタイプの人間であるかということの理解が深まりました。


この本の中で村上春樹さんは自分のことについて、


僕は頭の中で純粋な理論や理屈を組み立てていくタイプではない。思弁を燃料にして前に進んでいくタイプの人間でもない。それよりは体に現実的な負荷を与え、筋肉にうめき声を(ある場合には悲鳴を)上げさせることによって理解度の目盛りを具体的に高めていってようやく「腑に落ちる」タイプである。


と書いています。この文章を読んだ時に、自分もまさにこのタイプだなと思いました。


人よりも理解するのに時間がかかりますし、頭では分かったと思っていても、実際にやってみると全くできない、うまくいかないことが多くあります。


こういうタイプだというのがこの本を読んでから理解できたので、今ではどんどん行動することを意識しています。


この本を読まなかったら、このような理解は深まらなかったと思います。
また、色々な本を幅広く読んでいくことの大切さが、改めてわかりました。


当たり前ですが、ベストセラー作家の洞察力と文章力に感嘆しました。


自分にとってどんなところがためになった?


この本を読んで、私が一番良かったことは、続けていく継続していくということに対する理解が深まったことです。


そのことについて、私が特に印象に残った箇所としては、


走り続けるための理由は、ほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由ならトラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのはその「ほんの少しの理由」を一つ一つ大事に磨き続けることだけだ。


この文章を読んだ時、仕事のことが思い浮かびました。
それは私が仕事について悩んでいたからです。
今の仕事を続けていく気力や自信がなくなっていました。


でも、この文章を読んで、もう少しだけ続けてみようという気持ちになりました。
これからも仕事を続けて行くことになるかは分かりませんが私のほんの少しの理由を抱いていきたいと思います。


また自由に生きるということがどういうことなのかということについての理解も少し深まったと思います。


この点に関して、私が特に印象に残った箇所は、


彼女たちには彼女たちに相応しいペースがあり、時間性がある。僕には僕に相応しいペースがあり、時間性がある。それらは、全く異なった成り立ちのものだし、異なっていて当たり前である。


というところです。


これがまさに自由に生きるとはこういうことだと思いました。


誰にもどこにも縛られずに、自分のペースや時間を守っていくことが自由ということなのだと思いました。


ただ、会社や組織に属していると、そうはいきません。


しかし、自分らしく自由に生きていこうとするのであれば、自分のペースや時間性を守っていくことは、とても大事なことだと思います。


また、そのように生きていけることはとても幸せなことだとです。


私もすぐには難しいと思いますが、自分のペースで自分の時間を大切に、ゆっくりと過ごしていけるように、日々試行錯誤しています。


この本を読んで継続していくことがどういうことなのか、自分らしく過ごしていくにはどうしたらいいのかということについてより考えるようになりました。



まとめ


いかがでしたでしょうか。
走ることについて語る時に僕の語ることが少し読みたくなってきたでしょうか。


少しでもご興味を持たれた方は、読んでいただければと思います。読んでいただければこんなに嬉しいことはありません。



今回紹介した本
『走ることについて語るときに僕が語ること』村上春樹 株式会社文藝春秋



読書を通して自分らしく生きていける人が一人でも増えることを心から願っています。


その助けに自分がなれるのであれば、こんなに幸せなことはありません。


西の読書めがね