『「やりがいのある仕事」という幻想』
こんにちは。
西の読書めがねです。
皆さんは、仕事に「やりがい」を感じていますか。
ちなみに私は、全く感じていません。
どちらかといえば、仕事は嫌いです。
働かなくても生きていけるのであれば、働きたくありません。
ところで皆さんは、何のために働いているのでしょうか。
お金のためでしょうか。家族のためでしょうか。はたまた、社会のためでしょうか。
人それぞれだと思います。人それぞれで良いと思います。
ただ、長い期間働いていると、何のために働いているのかということが時々わからなくなります。
そんな時は、少し立ち止まって仕事についてじっくりと考えてみることも必要な気がします。
立ち止まって、考えをまとめる。そのためには、考えるための材料があると便利です。
そこで今回紹介する本は、『「やりがいのある仕事」という幻想』です。
この本を読むと仕事に対しての原則を思い出す事ができます。
良かったらお付き合いください。
どんな人に読んで欲しい?
この本を読んで欲しいのは、仕事に行き詰まりを覚えている方です。
今の仕事を続けていて大丈夫だろうか?
いつまで働かないといけないのだろうか?
そもそもなんで働いているんだろう?
などと考えて不安になっている方はいないでしょうか?
私もこんな不安をかかえながら日々仕事を続けています。
不安を覚えた時は、原理原則に立ちかえってみるのが1つの方法です。
本の中で著者は、仕事について以下のように述べています。
人は働くために生まれてきたのではない。どちらかというと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、健康的だ。あらゆる面において、働かない方が人間的だといえる。ただ、一点だけ、金が稼げないという問題がある。
したがって、もう一生食うに困らない金が既にあるならば働く必要などない。もちろん働いても良い。それは趣味と同じだ。働くことが楽しいと思う人は働けば良い。それだけの話である。こんなことは当たり前だろう。
確かに当たり前の話です。
ただ、日々忙しく働いていると、当たり前について考えなくなってしまいます。そして、そのうちに当たり前が当たり前でなくなってしまいます。
また、仕事をする目的についてこのように述べています。
仕事をしているからこそ、自分の好きなことができる。「これを我慢すれば、あれができる、あれも買える、あそこへ行ける」と考えるしかない。
つまりは、働くのは、自分の好きなことをするためのお金を稼ぐためにやっているということです。
こんなことは、いまさら言うまでもないことです。ただ。働いていると仕事に対して賃金以上のことを求めてしまいます。
「自己成長」や「やりがい」や「生きがい」などです。
そんなものは、仕事の目的ではなく、仕事はあくまでも賃金を稼ぐためにやっているという原則を思い出しました。
このように働いていくうえで見えなくなってきてしまう原理原則を思い出させてくれる本です。
この原理原則を思い出すことで、いまの仕事の行き詰まりの原因を考えるヒントになるのではないかと思います。
自分にとってどんなところがためになった?
私が、この本を読んで良かったのは、先程も書いたように当たり前のことを当たり前のことだと思い出せたことです。
私達は、なぜかやっている仕事でその人のことを判断してしまいます。
「立派な会社に勤めているから立派な人だろう」
「たくさん収入がある人は、すごい人」
などと考えてしまいます。つまり仕事とその人を同一視してしまっているのです。
でも良く考えるとやっている仕事とその人の人間性は関係ありません。
この点について、著者はこのように述べています。
仕事というものは、今どんな服を着ているのか、というのと同じくらい人間の本質ではない。
まさにその通りで、仕事でその人を判断することは、できません。
これも、当たり前のことです。
でもなぜかこの当たり前が当たり前ではなくなってしまっています。
働いているから立派な人ということではないのです。
この本を読んで、そんな当たり前のことを思い出しました。
また、なんでこんな当たり前のことを忘れてしまったのだろうかと恥ずかしくなりました。
これは、世間の雰囲気であったり、周囲の意見に知らず知らずに影響されてしまっていたのかもしれません。
こういうことは、仕事に限らずに結構あるように感じます。
こういうある意味での洗脳をといてくれるのも読書の醍醐味ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
『「やりがいのある仕事」という幻想』を読みたくなったでしょうか。
少しでも興味をもっていただけた方は、ぜひ読んでみてください。
仕事や生き方について考える良い本です。
私は、この何年か仕事について悩んでいるのですが、この本を読んで自分の軸をもつことの大切さを改めて知りました。
世間や周囲の雑音に惑わされることなく自分の軸を基に生活していけば幸せに過ごしていけると思います。
私達が生きているのは幸せになるためです。仕事は、その手段に過ぎません。
これも当たり前のことですね。でも当たり前のことも、時々思い出して確認しないといけませんね。
いつの間にか抱いてしまった「幻想」を晴らしてくれる『「やりがいのある仕事」という幻想』を是非読んでみてください。
今回紹介した本
『「やりがいのある仕事」という幻想』森博嗣 朝日新聞出版
読書を通して自分らしく生きていける人が一人でも増えることを心から願っています。
その助けに自分がなれるのであれば、こんなに幸せなことはありません。
西の読書めがね
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