『歩行する哲学』

こんにちは。
西の読書めがねです。


皆さんは、散歩はよくされる方でしょうか。
私は、週に1回くらい散歩をしてます。


時間にして1時間半ほどです。距離にすると6キロほどでしょうか。


好きな音楽を聞きながらゆっくりと散歩するのはとても気分がいいものです。


また最近では、Amazon のAudibleを聴きながら散歩しています。
Audible は、ながら読書ができるので、大変気に入っています。


そんなよく散歩をする私が今回ご紹介するのは、『歩行する哲学』です。


この本は、様々な哲学者や偉人が歩くということをどのように捉え、どのように歩いたのかということについて書かれた本です。


それでは紹介を始めていきます。


どのような人に勧めたい?
私がこの本を勧めたい人は、考えることが好きな人です。


歩くということは、誰でもできることなので、特に深く考えて行うことはありません。


ただ、この歩くという単純な行為ひとつをとっても様々な捉え方や考え方ができます。
この本を読むとそのことがよくわかります。



思考も、書くことと同様、揺れて、歩く。どちらもぐらつき、持ち直し、また同じことを始め、果てしなく、この持続される不安定の中を進んでいく。一つの思考が別の思考をそこから引き起こす。1つの感覚が別の感覚を引き起こす。一つの文章が別の文章を、─ 一つのしきたり、習慣、あるいは怠惰でさえもがもう一つを引き起こすように。今度はそれが不安定にぐらつき、不確実になる。けれど転ばない。


このように歩くという単純な行為も捉え方や考え方次第で、より深く考察をしていくことができます。


この本を読むとこのように物事をより深く考えるきっかけになります。
普段から色々なことを考えることが好きな人にとっては、この本を読むともっと考えるということが好きになるのではないかと思います。


また、普段は忙しくてあまり物事を深く考えることがない、できないという人にとっても物事を深く考えるきっかけになる本ではないかと思います。


この本を読む前と読んだ後ではどんな変化がある?


この本を読む前と読んだ後では、歩くという行為に対する印象がガラリと変わります。


私がこの本の中で、特に歩くという行為に対する印象が変わった箇所を引用します。


堂々として幸福であろうとするなら、自分で利口だと思っていても何者でもない文明化した腰抜けでなく、人間であろうとするなら歩かなければならない。振り返らないで、まっすぐ前へ、寒さや灼熱の太陽を心配したり、風や汗や道の石ころを気にしたりすることなく、歩かなければならない。


人間が人間でいるためには、歩かなければならないなんて、歩くということが、それほどまでに重要な行為だったのかと衝撃を受けました。


今まで特に何も考えずに行っていた行為が幸せや文明に繋がっていることだとは全く考えたことがありませんでした。
皆さんもそうなのではないかと思います。


ただ、考えてみれば歩くということは、前に進むということであり、前に進むということは、つまりは生きていくということでもあります。


歩くということは、生きていくということに繋がってことであることを、この本を通して知ることができました。


自分にとってどんなことがためになった?


この本を読んで、私がためになったのは生きていく上での指針を得たことです。


私はどう考えても天才ではありません。人より優れたところもありません。そんな私が人生を歩んでいく上で、大事な考え方をこの本を読んで知ることができました。


だが、ゆっくりでも、長い距離を、長い時間頻繁に歩くことはできる。逆に持久力がカタツムリのようなのろさを補って余りあることもある。急いでも変わらないのだ。歩くには、謙虚な辛抱強さ、身体の耐久力、この世にしっかり目を下ろすことを得意とすることがプラスに作用する。根気よく続けることが走ることより価値がある。長続きが瞬間的な選考に勝る。重要なのは速度ではなく、持続なのだ。


天才ではない私が生きていく上で、重要なことがこの文章に凝縮されているように思いました。


つまりは、謙虚さと長期的な視点、身体的、精神的な持久力を養っていくこと。
このことが私にとってはとても重要な要素であり、一つの指針となる視点だと思います。


この本を読むことで、そのことを知ることができました。



まとめ


いかがだったでしょうか、『歩行する哲学』に 少し興味をお持ちいただけたでしょうか。


少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。
興味が湧いた方は、是非『歩行する哲学』を読んでみてください。


私はこの本を読んでより深く考えること、哲学的に物事を捉えることの面白さを知ることができました。


また、日々行っている散歩が人生についても考えさせられる行為であるという、新たな視点を得ることもできました。


これからも読書と並行して、散歩も楽しく続けていきたいと思っています。


今回紹介した本


『歩行する哲学』ロジェ=ポル・ドロワ ポプラ社


読書を通して自分らしく生きていける人が一人でも増えることを心から願っています。


その助けに自分がなれるのであれば、こんなに幸せなことはありません。



西の読書めがね